カレルチャペック
ティータイムを楽しくしてくれる、おいしい紅茶とかわいいオリジナルグッズで大人気!

長い間多くの人々に愛されている雑貨のブランドストーリーを紹介するこのコーナー。第2回は、キュートな紅茶&雑貨が大好評の、「カレルチャペック」の登場です!

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お店の名前が作家の名前なのはナゼ?
自信がなくて内向的で本ばかり読んでいた小学生時代の山田さんを変えたのが、担任の先生から贈られた左の写真の本。表紙の裏には、「本の世界はとても楽しいけれど、閉じこもってしまうのではなく、本の中から何かをつかんで詩子さんの体の一部になるように!」と先生の言葉。先生の思いやりが山田さんを救ってくれたそうです。そんな宝物の本の作者の名前カレル・チャペックを店名に選びました。

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商品アイディアのヒントはどこから?
「カレルチャペック」の人気の大きな理由のひとつに、パッケージやオリジナルグッズのかわいさがあります。そんな楽しいアイディアのもとになっているのが、山田さんのこのスクラップブック。ふと思いついたことを絵にして描きとめておいたり、どこかで見つけたかわいい包み紙やポストカード、雑誌の切り抜きなど、山田さんのアンテナにピピッときたものをランダムに貼りつけているそうです。

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カタログもコレクターズアイテム!?
最初に作ったのが1987年の横長タイプ。ハガキほどの大きさの5ページ程度のもので、商品の紹介とおいしい紅茶のいれ方が黒一色の文字で書かれたシンプルなものでした。その後、赤と黒の2色刷りになり、山田さんのイラストが入るようになりました。現在のカタログは4色刷りで20ページもあります。かわいいイラストを楽しみにしている人もいて、カタログも毎回、大人気です。

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紅茶愛好家のバイブルになっている「山田詩子本」たち
大人気の山田さんの本。これらの本で紅茶の楽しみ方を知った人も多いはず。かわいいイラストや写真と、山田さんの紅茶に対する熱い思いが伝わってくる文章がステキ! 写真は左上から時計回りに、『紅茶のおはなし 1』(¥1143 フェリシモ出版)、『紅茶のおはなし ティータイムダイアリー』(¥1143 同)、『たのしいティータイムブック』(¥1600 主婦と生活社)と、山田さん初めての絵本『ぶたのチェリーのおはなし』(¥1200 偕成社)。

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観光名所にもなっているショップたち
「カレルチャペック」の1号店は、山田さんの学生時代の友人が住んでいた国分寺にオープン。当初は浅草橋に缶を買いに行って、プリントゴッコで刷った紙を巻きつけ、販売していたとか。その後、イギリスのフリーマーケットのような場所をつくりたいという知人から誘いがあって、現在の場所へ移転。2002年には、イギリス伝統菓子とおいしい紅茶が楽しめる「カレルチャペック スウィーツ」を本店の近くにオープン。紅茶好きのためのお菓子を販売する人気スポットに!


「カレルチャペック スウィーツ」
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-15-18 tel 0422・20・1088 
11時〜19時 木曜休み


「カレルチャペック本店」
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7 tel 0422・23・0488 
11時〜20時 木曜休み


東京・国分寺にあった1号店。イギリスのレコード店「ラフトレード」をイメージした店づくり。現在はありません。

イギリス文化好きが興じて始めた、個性的な紅茶ショップ

 オリジナルブレンドの紅茶や、かわいいイラストのパッケージ、使いやすい紅茶道具など、個性的な品揃えで根強いファンをもつ紅茶ショップ「カレルチャペック」は、今から16年前の1987年、東京・国分寺市の小さな店でスタートしました。
 大学は卒業したものの就職難で、今でいうフリーターの身分だったオーナーの山田詩子さん。「なら、自分でやろう」と、卒業2年目にとりあえず上京します。「誰にも迷惑かけず、自分の美意識や感性に合ったものを作って、そこそこ稼げたらいいな」という発想で、友人と店舗を借り、実家から軍資金200万円を得て、紅茶や雑貨を売る店を始めました。
 紅茶を扱うことにしたのは、イギリス文化が好きだったから。特に、昔からウイリアム・モリスのレッサー・アート(小芸術=生活のなかのアート)に興味があり、「何か暮らしのなかにきれいなものや気持ちいいものを取り入れられる仕事をやってみたかった」と山田さん。とはいえ、趣味一辺倒ではなく、紅茶を主力商品にしたのは、「誰でも親しみやすく、しかも自分で付加価値をつけやすいもの」という営業的判断があったそうです。
 学生時代にバンドでボーカルを担当していたという山田さん。お店もロンドンの有名レコードショップ「ラフトレード」風なさびれた感じにし、キンクスやラモンズのカードを売ったり、友人・知人の手作りの品を並べたり、どこか学祭的なノリ。駅から遠い立地ながら、近くに武蔵野美術大学があったこともあり、学生をはじめ、そのノリを喜んでくれる常連客でにぎわう人気店になりました。
 91年に「イギリスのマーケットを再現したい」という知人から出店を持ちかけられ、吉祥寺にお引っ越し。以来、友人や親族の協力を得ながら順調に成長を続け、96年には会社組織に。ビジネスパートナーの江口拓生さんは学生時代のサークル仲間。おもに経理面を江口さんが、商品開発や企画などのソフト面を山田さんが担当しています。
 お店の経営だけでなく、イラストを描いたり、文章を書いたり、多方面に活躍中の山田さんですが、そのルーツは、クリスチャンで英語教育の専門家であったお母さまにあるのだとか。小さいころから外国の絵本や雑貨に囲まれて育ち、イースターやクリスマスといった西洋的なイベントが当たり前の家庭。休日には家族で施設を訪問して、絵を描いたり、ブローチを作ったりといったボランティア活動。そんな環境のおかげで、自由な発想と創作活動がごく自然なものとして身についたそうです。「カレルチャペック」が人気店でありつづけている理由も、付け焼き刃ではない、こうしたクリエイティブ精神が自然にお客さまに伝わるからなのかもしれません。

取材・文/秋山リコ 撮影/千葉 充